2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

第13話

野心の果て 今回の焦点は、ロッシと同じタイプの強引な捜査官が自らの野心のため、連続殺人犯を暴き立てようとして、自分が危機に陥る部分。 「エゴが自らをあぶなくする」 というのは、捜査される側にも捜査する側にもいえるという話。 捜査官が事件を足上…

この世でいちばん大事な「カネ」の話

西原理恵子著、よりみちパンセ。理論社。1300円。 本書がビジネス書として売れていることにびっくり。 商売の話なんて、書いてないんだけどね。いや、そうでもないか。 でも、もっと切なく、切実に、生きることそのものの話が中心だ。 章タイトルがユニーク…

アキハバラ@DEEP

石田衣良著、文春文庫、720円。 プロローグ これはわたしの父たちと母の物語である。 社会システムに不適応だったゆかに図らずもつぎの時代を切り拓き、みずからの肉体と精神を一個の免疫細胞と化して新しいウイルスに備えた、力強く傷つきやすい父と母の物…

第12話

父の過去、娘の秘密 あらすじ 証人保護プログラム中の人間が殺人を犯した場合、裁けるのかどうかがテーマ。 証人保護プログラムとは、法廷や諮問院会で証言者を被告発者からの制裁から保護するために設けられた制度である。ようは、マフィアの「血の掟」から…

第12話

ネバーランドの悲劇 心臓が凍った死んだホテルオーナーと、ハイスクールバスの屋根から落ちてきたネグリジェ姿の女性の話。ふたつの話はお互いに交錯しない。 あいかわらずビジュアル的な見せ方は非常にうまいのだが、そろそろ手の内が尽きてきた感じを受け…

鑑識・米沢守の事件簿

公開されたばかりの映画のことをあまり書くのもなんなので、簡単に。・公開初日午後三時新宿で観たが客の入りはイマイチ ・亡くなった女性の残した遺言は、明らかに遺言ではなかった ・ミステリーなんだから当然といえば当然だけど、最初からバレバレすぎ ・…

螺鈿迷宮

「螺鈿迷宮」上下巻、海堂尊、角川文庫。2006年11月発行。1000円。上下巻に分かれているものの、それほどの厚さはなく、一気読みできる。 デビュー作、「チーム・バチスタの栄光」、その直接の続き、「ナイチンゲールの沈黙 」はいずれも宝島社文庫だったが…

コマンドー

「ターミネーター」の後でアーノルド・シュワルツネガーが主演したコメディ作品。うそです。 コメディはではないけど、笑える作品。これも違うか。 笑っている場合ではないくらい人死にが出るんだけど、シュワルツネガー演じるジョン・メイトリックスが強す…

マドンナ

2002年、講談社。短編集。 え、これがあの奥田英朗の? とびっくりした。サラリーマンの哀感を描いたものだが、あたりきたりでぜんぜん面白くない。最後の「パティオ」がちょっと胸に詰まる話かなあと思ったくらいで、なかなか読めなかった。乗れなかったの…

第11話

危険な遊び タイトルは二重の意味を持つ。事件も二つ。 冒頭いきなりの死体には驚いた。バーで、葉巻が爆発したのだ。吸っていた男は、口を吹っ飛ばして即死。口をなくした男なんて映像は見たことがない。当たり前か。 しかしまあ、この映像の迫力のあること…

第19話

特命 僻村での老女の死。すでに使われなくなった丸木小屋での不気味な惨劇。いや、惨劇のあとを伺わせるシーンから始まる。 自閉症だが天才的な画才をもつ青年の描いた、おどろおどろしい絵が、特命係に送られてくる。 聖書のセールスマンとして潜入捜査を敢…

第11話

父の記憶 1980年代の連続猟奇殺人事件。人を掠い、何週間か「飼った」後に殺し、バラバラにして南北戦争の史跡に捨てる。だが、被害者を五人出したところで殺人はぴたりと止まる。 この未解決事件にふたたび光が当たったのは、大学生が続けざまに掠われ、そ…

生きる歓び

橋本治の短編集。平成六年十二月三十日初版発行。 心の隙間を描いた短編が多い。市井の人に取り憑く能力みたいなものがものすごい。 ほとんどの短編で、「あるよなあ、これ」とおもう。それは事象というより、心持ちに近いものだ。自然とか、店とか、家の中…

第21話

裏切りのメッセージ ホレイショが撃たれたので、ああ、最終回かと思う。あまりにもクリフハンガーすぎてバカみたい。 例によって、ウルフが怪しいんじゃないのというブラフをかまして次シーズンにつなぐが、そんなわけないだろう。 ロンとの戦い、長引きすぎ…

第10話

ヒーローの真実 先週、「イギリス帰り以来ずっと続いているマック絡みのトラブルの新しい展開であることがわかる。これ、もう解決する気がまったくしない。絶対、次のシーズンまでひっぱるね。まだ9話目だけど、勝手に確信する」と書いたが、あっさり解決し…

第18話

悪意の行方 事件呼び寄せ人陣川のいらぬ介入により、杉下警部と警察庁経理課の陣川は別々に誘拐され、だるま船に監禁されることになる。この冒頭シーン、どこかで見たことがあると思ったら、「ガリレオで似たシーンがあった」と妻が言った。その時は、携帯の…

マッドマックス

1979年オーストラリア。 パソコンが出てこないと、時代って意外とわからない。クルマやバイクに疎いせいもあるが、いま観ても違和感のない復讐譚。 見直すと、家族を失うまでの時間が長いことに驚く。印象に残っている復讐シーンはほんの少しなんだよね。 1…

第10話

ダーク・ヒーロー ひさしぶりにゾクゾクっと来た傑作。 いつもとは作品の作りがまったく違う。たぶん実験作。 冒頭のシーンは、モノクロ。血だけが赤。夜の獣に襲われる。ヒーローであるナイトがナイフで撃退する。 実写なのに、二次元的。瀧のように降り注…

灘の男

灘の男。二〇〇七年、文藝春秋社。 車谷長吉、私小説作家廃業宣言後の勝負をかけた聞き書き小説集。 自著を語る 灘の男(「文學界」平成十七年四月号) 「はあ。わしが濱長や。灘の濱田長蔵や。わしはもう何もいらん。」 表題作は著者の郷土とも関係の深い播州…

アイアン・イーグル

1986年アメリカ。 高校を卒業したばかりの軍オタクがパイロットの父親を救うために、F16をハイジャックして、敵地に乗り込み、殺戮の限りを尽くし、祖国に称えられる話。 こんな映画を真顔で作るって、アメリカってほんもののキチガイだろうか。 まず高校生…

アメリカン・ギャングスター

2007年アメリカ。 「アイアン・イーグル」というアホ映画を観たあとの疲れでぐったりしており、流し観をしていたのだが、どうも、なにかがいい。 なんとなく暗めの画面作り? 役者? 演技? テンポのいい展開? 全部、いいのである。なんじゃこれはと思いつ…

勝ち負け

あまりにも積み残しというか、放りっぱなしというか、逃げていることが多いので、これからは毎日、勝負をして生きていくことにした。 締め切り前に原稿を上げたら勝ち。遅れたら負け。落としたら死。 メシ作ったら勝ち。スーパーの総菜に逃げたら負け。外食…

第9話

弔いのウエディング ふたつの話が描かれる。 ますます混乱度を増していくニューヨーク。 ひとつは、結婚式の控え室で死んでいた新郎。ど頭で、両家がいきなり殴り合うシーンがあり、驚く。両家ともセレブで、ロミオとジュリエットみたいな状況での結婚式だっ…

第20話

シークレットディスク 警察に「子供たちが撃たれている」という混乱した様子の通報が入り、現場に駆けつけたSWAT。家の中に踏み込むと、主人らしく男がナイフを振り上げて飛びかかってきたので、瞬殺。このへんはアメリカらしい。 が、通報はデマだった。 誰…

幸せのちから

2007年アメリカ。 金曜ロードショーで観る。TSUTAYAで借りたらDVD品質なのに、テレビで観たらハイビジョン品質なんだから笑っちゃう。へんな時代だ。 ウィル・スミスって、よく刑事役をやっているけど、ここでは泣ける父親役。妻の冷たい視線にさらされる冴…

第19話

モルグに別れを さよなら、アレックスの回。 息子が巻き込まれた事件もぶじ解決したから、アレックスがモルグを去る特段の理由はなく、アレックス役を演じているカンディ・アレクサンダーの都合なのかなという気がする。←舞台の主演らしい。 ラストシーンの…

第17話

天才たちの最期 捜一が自殺と断定した事件に対し、弱小出版社でアシスタントをしている瑛子が文句を言いに来る。 受付で立ち往生する伊丹たち。そこへ警部殿があらわれ、体よくクレーム対処を任されるが…… 七年前、やはり詩壇を担うと言われた女性詩人が朗読…

花粉症とアレロック

いきなり来ませんでしたか、花粉。なんの花粉か知らないけど。 夜中の0時に2時間程度のうたた寝から目覚めた時には、すでに鼻ずるずるで、目はかゆくて掻きむしりたくなる状態。 朝になるのを待って、内科に行った。 「眠たくないお薬を出しておきますね」 …

第9話

ペネロープ FBI内部でガタガタする話。こういうテーマを取り上げるのはちょっと「相棒」的。 うたた寝してしまって後半しか見ていない。それでも充分おもしろかったが。 ペネロープの謎の過去がすこしわかる。 両親の死、引きこもり、ハッカーへの道。 事件…

少林少女

駄作だという噂は聞いていたが、こんなにしょうもないとは。 このつまらなさはなんといえばいいんだろう。虚構としての美学がなにもないというか。あきれた。