第11話

危険な遊び

 タイトルは二重の意味を持つ。事件も二つ。
 冒頭いきなりの死体には驚いた。バーで、葉巻が爆発したのだ。吸っていた男は、口を吹っ飛ばして即死。口をなくした男なんて映像は見たことがない。当たり前か。
 しかしまあ、この映像の迫力のあること、とても人間とは思えない。
 犯人としてまず疑われるのは、コミック雑誌に広告を出して、コドモだましのおもちゃを通販で売りつけていた男、ラフィッング・ラリー。しかし、実験では、ラリーの爆発葉巻では人は死なないことがわかる。
 その頃、街頭では別の事件が起こっていた。果実屋に強盗が入り、店主を殴打。銃声を聞きつけたダニーが、駆けつける。が、その時、ダニーは近所の男の子の自転車の洗礼に付き合った帰りだった。ダニーは「男の子にそのまま帰るんだ」と叫び、男の子は走り去るが、それはアドレナリンによる一時的な興奮。オレンジを通過した銃弾は少年の脇腹にめり込んでいた。解剖室に運び込まれてきた少年を見て取り乱すダニー。
 ダニーの事件は、科学捜査的には単純なものだったが、あとに余韻を残す。どこにでも拳銃がある社会の恐ろしさがあっさりと描かれていた。そのあっさりさ加減が帰って怖い。
 葉巻男の事件も、ぶじ解決。面通しという恐ろしくアナクロな方法によって。しかし、犯人がマジックミラーを向かってラリーに延々と語りかけるシーンは鬼気迫る。
 今回は通常の標準だった。いや、映像的なインパクトでプラス一点かな。

起業家のエセックス・パーマーがクラブで葉巻を吸い、その葉巻が爆発して死んだ。パーマーのネクタイの染みから、「ラフィング・ラリー」の名で知られる男のDNAが検出された。ラリーは昔から誇大広告でイタズラグッズなどを売ってきた男だ。しかしラリーは、街でもらった葉巻をそのままパーマーに渡しただけだとと主張する…。一方、ダニーは同じアパートの少年を教会に連れて行った帰り道で強盗に遭遇し…。