子どものうつが心配なときに

 子どもの不登校
 子どものひきこもり。
 子どもの暴力。
 その背後にあるのは「うつ」ではないか?

 大人だけではなく、子どももうつにかかる。
 いじめや対人トラブル、親の過剰や期待や無関心、学校生活、クラブ活動など、さまざまな要因がストレスとなって、うつが発症する。

 「子どもをうつから救う!家族のための症例別対応ガイド」(武田浩一)は、5つの症例を通して、子どものうつにどう対応すればいいかを解説した電子書籍だ。
 本書の特徴は、問題を抱える子どもではなく、その周囲にいる人にむけて書かれていること。

 子どもはうつを発症する前に、ヘルプサインを発する。それは一見、心の病気とは関係なさそうな症状だ。腹痛だったり頭痛だったり微熱だったり不眠だったりする。また、成績の急落もうつのヘルプサインだ。

 ヘルプサインを読み取ったらすぐ専門医へ。当たり前の対処だが、実行するのは難しい。子ども当人はもちろん、親でさえ、早期に適切な処置をとることは難しいだろう。

 本書を読むことで、いざというときへの備えができる。
 うつは誰にでもやってくる心の病気だ。
 「子どもをうつから救う!家族のための症例別対応ガイド」は問題が起きる前に一読しておきたいメンタルヘルスの入門書である。

子どもをうつから救う! 家族のための症例別対応ガイド (NextPublishing)

子どもをうつから救う! 家族のための症例別対応ガイド (NextPublishing)

【目次】
自殺した少年からの手紙
第1章 子どもにもうつはある
ヘルプサインを見逃すな/子どもにうつ病はあるか/ひきこもってしまったら
第2章 頭痛や腹痛
「アイドル志望の女の子」(眉毛を抜く)/お母さんの問題/お父さんの存在感のなさ
第3章 ひきこもり
「教師のいじめ」(白雪姫の悲劇)/環境に対する過剰適応
第4章 イライラ
「粗暴な行動」(トンカチでなぐる)/焦燥型うつとは/R15を意識する
第5章 頭髪を抜く
「抜毛症の女の子」(帽子を脱がない美少女)/反抗期との見分け方/うつと自傷行為
第6章 リストカット
「思い通りにならない」(愛情不足の女の子)/隠れ自傷患者は一人で来院する
第7章 成績が落ちる
「下痢が止まらない」(隠れうつの存在)/うつと成績の関係/早期発見早期治療の大切さ
第8章 よくある質問
受診に関する疑問/不登校に関する質問/子どもの環境に関する質問
エピローグ「自殺について」
うつと自殺願望/死ぬしかないという思い込み/最後の逃げ場
病院の選び方ガイド
小児うつ病院リスト