第20話

シークレットディスク

 警察に「子供たちが撃たれている」という混乱した様子の通報が入り、現場に駆けつけたSWAT。家の中に踏み込むと、主人らしく男がナイフを振り上げて飛びかかってきたので、瞬殺。このへんはアメリカらしい。
 が、通報はデマだった。
 誰が、電話というシンプルすぎる遠隔操作を使って、男を殺したのか。
 捜査は進むが、悪辣な悪徳私立探偵が壁となって立ちふさがり、CSIの捜査員たちの弱みを暴き立てると恫喝しては捜査チームから脱落させていく。ちょっと新しいパターンの展開で面白かった。
 それにしても、頭を撃たれたデルコが自らを鼓舞するために持っていた現場手順書のメモは、いつまでも尾を引くなあ。
 今回はマイアミにしてはいい出来だと思う。


 警察に、「子供たちが撃たれている」という緊急通報が入る。現場に急行したSWATたちが家の中に踏み込むと、ナイフを手にした男が。彼が襲ってくると判断した巡査部長は男を射殺する。死んだのは、その家の主人、マイケル・マドックスだった。
 間もなくホレイショらCSIも現場に到着するが、通報の内容とは異なり子供たちの姿は見当たらない。どうやら、偽の通報に踊らされたらしい。マイケルの妻ルーシーは、自分を守ろうとした夫を殺されたことに激怒。警察を告訴する構えを見せる。
 その後、発信地自動特定システムの情報を検索した結果、偽の通報はマドックスの隣家、ニール・ジャクソン邸から発信されていたことが明らかに。カリーは早速ニールを取り調べるが、彼は通報などしていないと主張。自宅の木に不審な男が登っているのを見たと証言する。
 ナタリアは、ニールの言い分の裏を取るべく、不審者が登っていたという木を調査。人間の皮膚組織を採取してDNA鑑定を行い、カート・ロッシという私立探偵にたどり着く。彼は、金のためなら汚い仕事でも平気で引き受け、法を犯すことも辞さない人物だ。
 ホレイショは、すぐさまロッシのオフィスへ。木に登っていた件で問いただされたロッシは、マイケルの依頼でルーシーの浮気調査をしていただけだと弁明する。ホレイショはルーシーからも事情を聞くが、もちろん彼女も事件への関与を否定。マイケルとともに「マドックス・カレン・ファンド」を経営するビジネス・パートナー、  ピーター・カレンが怪しいと話し、SWATが故意にマイケルの車に傷を付けたことについても怒りをあらわにする。
 ルーシーの話の真偽を確かめるため、カリーとデルコはマイケルの車の傷を調査。結局、傷はSWATが付けたものではなく交通事故によるものだと分かる。マイケルの車にイベント・データ・レコーダーが設置されていたことが幸いし、相手の車のナンバーはすぐに判明。ほどなくして、事故の相手であるチャーリー・デッカーが捕らえられる。彼は、何とルーシーの浮気相手だった。
 取り調べを受けることとなったデッカーは、事故後にマイケルと口論になったことは認めるものの、事件への関わりは否定。ウルフは、デッカーをはじめ、ニールやロッシの声を偽の通報の声と照合するが、いずれも一致しない。しかし、音声トラックの調整のカラクリに気付いたことにより、通報者は女性だったことが明らかになる。現時点で最も怪しいのはルーシー。しかし、彼女は自宅にいたためニールの家から電話をかけることは不可能だ。ウルフは、発信元の電話番号が偽装された可能性を考慮し、ニール邸の電話の配線ボックスを調査。そして、電話会社の作業員の自白により、通報の発信元は、カレンのアシスタントであるデビーの番号だと突き止める。
「マドックス・カレン・ファンド」に足を運んだホレイショとナタリアは、デビーのデスクでボイス・チェンジャーを発見する。どうやら、彼女が事件に関与しているのは確実なようだ。カレンは、マイケルが会社を売ろうとしていたことにデビーが腹を立てていたと証言し、彼女の動機を裏付けるような発言をする。そんな矢先、駐車場の車の中で射殺されたデビーの死体が発見される。
 カレンがデビーを殺したと見たカリーとトリップは、令状を携えてカレンのオフィスへ。会社を売られる前にマイケルを葬り、口封じのために共犯者であるデビーを殺したのではないかとカレンを追及する。さらにカリーは、カレンの手に発射残渣が残っていないかテスト。結果は陰性と出るが、トリップがデビー殺害の凶器と見られる銃を発見したため、カレンは逮捕される。
 動かぬ証拠を前に追い詰められたカレンだったが、そこに強力な助っ人が現れる。私立探偵のロッシだ。今回、カレンの弁護士として登場したロッシは、令状に銃のことが記載されていなかったことを指摘。元ラボクルーのダンが作成した、カリーの中傷サイトの件を持ち出すと、捜査手順を書いたメモをカリーが持っていたことに焦点を当て、カリーが採取した証拠は不当に入手されたものだと主張する。メモがデルコのものだという事実を隠し通したカリーは、ロッシの思惑通り捜査から外されてしまう。
 カリーが自分をかばったために捜査から外されたと知ったデルコは、カリーの意思を引き継いで捜査に奮闘。カレンの上着から金属残渣を検出し、彼がデビー殺しの犯人であることを証明する有力な証拠をつかむ。しかし、ロッシは簡単に引き下がるような男ではない。何と、極秘に入手したデルコのセラピーの録音データをネタに脅しをかけてくる。これを公開されたくなければ、起訴をあきらめるように、と。データには、ケガから1ヵ月で仕事に復帰したデルコが、「時々今が何年か思い出せない」とセラピストに相談する会話が録音されていた。デルコは、やむを得ずカレンを釈放する。
結局、デルコも捜査を外されるかたちとなり、残されたホレイショはロッシたちを叩きつぶす覚悟を決める。そして、自ら白衣を身にまとい、ナタリアとともにマイケルの車を再調査。相手の車から転移した塗料の付着位置が高いことに着目し、デッカーが故意に事故は起こしたことを証明する。
その後、改めてホレイショの取り調べを受けることとなったデッカー。ホレイショのはったりに乗せられ、ルーシーとの不倫という弱みをロッシにつかまれたこと、ロッシからわざとマイケルの車と事故を起こすよう指示されたことなどすべてを白状する。そして、警察への協力を了承すると、隠しマイクを身に付けてロッソの元へと向かう。
 場面は変わり、屋外のレストラン。デッカーは、カレンと一緒にいるロッシに近付き、彼の自白を誘導しようとする。しかし、ロッシはデッカーの狙いを見破り、デッカーが身に付けていた隠しマイクを没収。そして、「マイケルを死なせたのは俺だ。お前をやる(殺す)くらい訳ない」と言ってすごむ。が、その背後にはホレイショの姿が! 別に仕掛けられたマイクで会話を録音されてしまったロッシは、ついに逮捕される。
その後、カリーとデルコは、ロッシのオフィスへ。多数のマル秘ディスクが保管された金庫の中で、「ジュリア・ウィンストン」「ロン・サリス」「エリック・デルコ」「ホレイショ・ケイン」と書かれたディスクを見つけるのだった…。

http://csi.dramanavi.net/blog/2009/03/3720-f5b1.html#more