第15話

未解決凶悪犯罪 「教会 Sunctuary」

 奇しくも、こちらも潜入捜査が大きな鍵となる。
 同僚刑事のスコッティ・ヴァレンズが過去に潜入捜査していた麻薬組織のディーラー、ラミーロが逮捕される。それをきっかけに八年前の、麻薬密輸人アナ・カスティーヤ殺害事件が再捜査される。
 ヴァレンズって、不器用というか、不運な星の下に生まれているというか。
 アナは非常に聡明で、人情深い性格で、麻薬密輸から抜けだそうとしていたが、それもかなわず腹を割かれて殺されてしまう。
 教会は意外と絡んでこなかったという印象だが、アメリカ人はたぶん受け取り方が違うだろう。教会もまた人で成り立っているのであり、そこに貧困層から抜けだそうとあがいている者が混じっていて、金のために手段を選ばないとすればという仮定はけっこうな恐怖を生むかもしれない。
 キリスト教がからむと、ほんと日本人にはわかりにくい。というか、実感しにくい。むこうの日常なんだから仕方のないことではあるが。