第11話

FBI行動分析課 「テネシーの吸血鬼」

 賛美歌を美しく歌い上げる七歳の少年。
 この冒頭のシーンが、断片的なストーリーを一本につなぐ。
 舞台は、テネシー州のとある信仰厚き街。教会ばっかの田舎である。
 いきなり起こる異常殺人。どこが異常といって、死体からは血と内臓が抜き取られている。ドラキュラキラーと呼ばれる、吸血、食人の殺人鬼である。
 犯人はほとんど錯乱している状態だろうという推理だけは変わらないが、異常者を洗ううちに状況はどんどん変化する。
 キリスト教の圧力が高い土地柄はやはりストレス要因なのかなと思いながら観る。視聴者がそうではないかと思わせられるということは当然そうではないわけだが、別のストレス要因はきちんと存在した。
 うまい展開だと感心する。
 が、それとは別にギデオンの呆けぶりに驚く。死ぬまでにやりたい25個のこと、のリストにあるスカイダイビングに挑戦して、足を骨折したという無茶苦茶な設定で、ロケに行けなかった言い訳にしか思えない。クワンティコに残って捜査の後方支援を行うが、顔がもはや呆けているのだった。のちに番組を降板する伏線がここにあったのかなあ。