第16話

髪を切られた女

 おお、今回の相棒は芹沢くんかっ。
 伊丹刑事に怒鳴られる人としては最適だけど、右京さんとの関係は「勉強になります」だから、本命ではないなぁ。

 お話は、得意の映画もの。
 年老いた名監督の現場にふたりがちょこちょこあらわれ、不思議な溺死体の謎を解いていく。ただの事故死として処理されるところだった被害者の死に不審をいだいたのは芹沢君のお手柄。しかし、そのあとの推理は右京さんが主導していく。
 ときどき、「もう引っ張っちゃいましょうか」と芹沢君がいうのは、捜査一課のやり方を皮肉っぽく表現して、うまい。
 脚本は相棒初登場の人で、当意即妙の掛け合いはなかった。話を進めるのに手一杯で、相棒世界のある種の余裕のようなものがなかったのはちょっと残念。逆に言えば、事件の小ささの割にはシリアスな展開。
 老監督が病に冒されている展開は、すでに使用済みなので、いかがなものか。
 謎解き作品としてはよく出来ていたが、いつもの「複線」的なストーリー展開がなく、「単線」に終わってしまった。印象に残りにくい作品かもしれない。

捜査一課の芹沢(山中崇史)がコソコソと特命係にやってきた。級友の同僚・奈津子が風呂で溺死したが連続髪切り殺人事件の犯人に殺害されたのではないかという。髪切り殺人犯は自殺したはずだが真犯人が別にいるという噂も騒がれていた。右京(水谷豊)は奈津子の死を芹沢と調べ直すことに。すると奈津子は事件当日、ベテラン映画監督の川島(秋野太作)と接触していたことがわかる。川島が髪切り殺人の真犯人なのか…。右京が“相棒”芹沢と奇妙な事件の真相に迫る!

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/contents/story/0016/index.html

スタッフ

脚本 徳永富彦
監督 東伸児