謎を解く嘘を突く 「燃える」
フジテレビの新番組「ガリレオ」。月曜日九時。
東野圭吾原作のミステリードラマ。
福山雅治と柴咲コウのダブル主演。
湯川学(福山雅治)は、大学理工学部物理学科の准教授(昔の助教授のことをいまはこう呼ぶらしい)。新人刑事・内海薫(柴咲コウ)は交通課から異動してきたばかりの新人刑事。
一話目。
インパクトのある出だしだった。
住宅街に近接した川辺で騒ぐ若者たち。そのひとりの頭がいきなり燃える。炭化するまで。
この事故とも事件ともつかぬ現象を、湯川の力を借りて内海が解決していく。
レーザー光線だろうということは容易に想像がつくので、それはトリックにならない。
焦点は、天才物理学者湯川をもってしても、状況をなかなか再現できないという事実。実験から犯人の性格が浮かび上がってくる。
湯川は人間の感情にはまったく関心がないのに、結果的にそれを解明してしまう。
湯川は内海にいう。
「たとえば、君が犬のうんこだとしよう」
臭いなあと思いながらいつまでもうんこの臭いを嗅いでいても仕方がない。うんこは片付けるか、避けるかのどちらかだ。人の感情はうんこだと湯川はいう。
なるべく相互理解がむつかしい二人にペアを組ませるというのは、刑事物の基本。この場合は刑事同士ではなく、刑事と学者という異質の組み合わせだけど、それだけに人種の相違が際だつ。
ミステリーは事件が大切。動機も大切。
今回は、表面上の動機のほかに、誰にも理解不能な異常性格があった。
キャラクター配置といい、心理面といい、標準以上の出来。期待値の高いドラマになる予感。
なお、公式ページのあらすじの詳細さに仰天した。ここまできちんと書いてあるのは珍しいのではないか。