名探偵モンク4 第9話 「再会」

 NHK衛星第二、23時。

 サンフランシスコ警察の元刑事エイドリアン・モンクは愛すべきキチガイである。潔癖性(きれい好き、論理の一貫性、シンメトリーへのこだわり)、異常な正義へのこだわりなど、ひとつひとつをとればなんということもないが、度合いが常軌を逸しているのである。
 その得意な性格でたっぷり見せながら、推理もきちんとする。ミステリーとしても見事なものだ。
 いつもは笑いながら、でもけっこう心にグサグサ刺さるものを感じながら見ているのだが、今回は、なんとしみじみしてしまった。モンクをみてしみじみするなんて!
 こんな話である。

ナタリーの家でクリスマス・パーティーの準備を手伝っていたモンクあてに、ストットルマイヤー警部から電話が入る。モンクが8歳の時に蒸発した父、ジャックがサンフランシスコ市警の留置場にいるというのだ。今は大型トレーラーの運転手をしているというジャックは、信号無視と警官への抵抗で留置されていた。39年ぶりの父との再会に、複雑な思いをぬぐえないモンク。しかし、当のジャックはいい気なもので、目的地への到着が遅れるとクビになるという理由から、違反切符をもみ消し、釈放してほしいとモンクに頼む始末。素直に応じられないモンクだったが、警部の後押しもあり、結局ジャックを釈放する。さらに、クリスマスを一緒に過ごすべく、ジャックのトレーラーに同乗し、アリゾナまでついていくことに。
やがてモンクは、ジャックのボスの一人、グレーザーからの非効率的な配達工程表に不信感を抱く。

 サンタの格好をして、孤児院の子どもたちにプレゼントを配る。そのプレゼントが唖然とするほどつまらないものばかりで、子どもたちが騒然とするシーンもよかった。よくこんなシーンを挿入できるね。もちろん、モンクにとっては疑惑として認識されるのだが。
 とんでもないお父さんだが、最後にふたりで自転車を乗る場面には泣かざるを得ない。

 また傑作ができちゃったよ。

 というわけで、火曜日の夜は楽しくて困る。仕事が進まない。