電書Workshopについて

 来年から「電書Workshop」を始めてみようと思っています。
 場所は、いつもこのブログで言ってるブックカフェイココチ東高円寺随一のサードスペースであります。

 電書という概念を発明したのは、ゲーム作家でライターで大学教授の米光一成さんです。その経緯については、電書にもなっているし、いろいろなインタビューもネット上にあります。
 米光さんの電書は、対面販売、フリーマーケット、電書雑誌よねみつ、電書カプセルとどんどん進化しています。

 これらの実験はすべて面白いのですが、多くの人がスマホタブレットで日常的にインターネット環境を持ち歩くようになってみると、初期の対面電書の実用度がどんどん上がっていることを感じます。

 そこで、あらためて、電書について考えてみました。
 簡単にいってしまえば、商業出版に対する自費出版、それが電書です。
 なにを書いてもいいマイスペースである。他人に向けて(読まれることを前提に)書く、でも配れる範囲は限定的(たいていは自分で手渡しできる程度)。この流通の狭さは、悪いことはではありません。読んで欲しい相手を自分で選ぶことができるのですから。
 では、おまえは自費出版をしたことがあるのか、と言われると、ありません。
 その理由は単純で、三つあります。
 お金がかかりすぎる。
 本にするくらいたくさんの原稿を書くのは大変。
 保存するのが物理的につらい。
 電書はこの三つの困難をすべて克服しています。
 まず、制作にお金がかからない。材料費のかからない日曜大工のようなものです。
 電子データなので、分量は自由自在。色を使ったから、写真を入れたから、コストが上昇するなんてこともありません。
 保存場所が不要で、いつでも改訂版、新版を出せるというのもいいですね。

 私はスマホを使っているすべての人に自分の電書を作ってほしいと願っています。
 というのも、日本人には名刺交換という風習があります。せったくいただいた名刺も、一週間もたつと、はて、どんな顔の人だっけ、どこで会ったんだっけ、なにをしている人だっけとどんどん忘却していきます。私の名刺もきっと同じ運命をたどっていることでしょう。
 名刺に書いてあるのは名前と肩書き、連絡先程度ですが、これでは、たいした判断材料になりません。趣味でも仕事でもいいんですが、いっしょにコラボレーションしたい人のことは、その人の肉声で知りたいのです。
 ですから、
「これが私だ電書」
 が、いろいろ始めるときのベースになるんじゃないでしょうか。
 
 名刺の裏に書きたかった自己アピール。まずはそこから始めたいと思っています。
 Workshopは、同じ時間に同じ場所に集まるライブですから、一人ではできないことができます。
 自己紹介をする。すると、反応が返ってくる。改良するとまた反応が返ってくる。コンテンツの質は、こうやってよくなっていくんだと思います。決して、教えられてうまくなるもんじゃありません。
 一緒に作る場があるということが大切なんです。

 いまはすぐれたツールがあるので、技術的なハードルはとても低いです。ブログを作れる人なら、すぐ電書も作れてしまうでしょう。
 電書Workshopでは、技術的な指導もしますが、なによりも相互関係のなかで面白いコンテンツを作り、それをネット上で販売してみるところまでを試みたいと思っています。

 実際に顔を合わせるのは月に一度か二度ですが、facebookのグループ機能を使って、つねに連絡を取り合い、いろいろ実験的な試みを行ったり、日常的な交流を図ります。
 電書がいちばん役立つのはコミュニティの活性化だと思いますが、この電書Workshop自体がひとつのコミュニティになれたら最高です。
 ぜひ、お付き合いください。

お問い合わせ先
takeshi.fukagawa@gmail.com