第12話

未解決凶悪事件 「遺言」

 1994年、高校の屋上からロック好きの男の子が墜落死。自殺と判断される。その理由は彼が握りしめていた紙切れが遺書だと思われたから。
 が、当時の用務員が死に、残りの部分が出てくる。それで再捜査になるのだが、この用務員、学校に落ちている物はなんでも拾う癖があったという。描かれていないが、さぞかし膨大なコレクションだったことだろう。紙切れ一枚が十年前の自殺と結びつくのが凄い。本編よりむしろ再捜査初動時を見たかったかもしれない。
 とはいえ、事件そのものもよかった。人間存在のはかなさや、時間の重さが伝わってきた。良作。