ひまわり

夏目雅子27年の生涯と母の愛〜


ドラマの原案は、雅子の母・小達(おだて)スエが母親の目線から、娘の生涯を綴った『ふたりの「雅子」母だから語れる夏目雅子の27年』。初めてのドラマ化である。
 見終わって、えーっと叫んだ。
 仲間由紀恵を使って、夏目雅子の生涯をドラマ化して、これはあんまりである。
 一つ目のえーっは、三田佳子。なにそのキャスティング。友だちのような母娘の関係を描いているドラマだが、相手が三田佳子だと、ぜんぜん絆が見えない。なぜ夏目雅子が母親に執着したのかが見えてこないし、人格もころころと変わって一貫性がない。
 二つ目のえーっは、原作と、それをそのまま使ったらしい脚本だった。実の母親が書いた本で、母親視点で、母親のヨイショしかしないような話をドラマにしてなにが面白いのか。せめて伊集院静の視線ならもうすこしなにか観るべきものがあっただろうに。
 イヤな母親だから三田佳子をキャスティングしたのか、三田佳子をキャスティングしたからイヤな母親になってしまったのか、そんなことはわからないが、相乗効果だったら一番イヤだな。
 象徴的なイメージはタイトルに使ったひまわりと、ひらひら舞う蝶だが、いかにも紙がぺらぺら動いていますという感じの蝶はどうにかならなかったのだろうか。
 仲間由紀恵みたさに最後まで観たが、ドラマとしては最低。TBSの単発ドラマだから仕方ないのか。