となり町戦争

 「となり町戦争」(三崎亜記)を読んだ。
 目に見えない小さな戦争を描いている。
 淡々としているが、そうとう面白い。笑えるわけではないが、心にずしんとくる。戦争を戯画化した作品は数多いが、「となり町戦争」はパロディとかスラプスティックとかナンセンスを意図しているわけではないようだ。
 あえていえば異化かもしれない。戦争を日常の中に溶け込ませることで、「遠い、どこかでやっているイベント」という概念を覆す。

 星四つくらいかなあと思いながら読んでいたが、愛国心がごみ焼却炉で燃やされてしまったので、星五つとする。