第11話

「僕は歩き続ける。」

 最終回。
 王道すぎてラストが予想できなかった。
 美しい終わり方。伏線を回収しまくり。そして、なにより見事だったのはてるの心情が一貫してブレなかったこと。可能性の拡大というひとつの線ですべてがきれいにつながり、振り返れば、それは健常者にとっても、いま一番大事なことではないかと気づかされる。目の前が曇って、可能性が信じられない世の中だから。

 浅野和之がありえないくらい格好よかった。
 また観たい役者マイベストは、妹役の本仮屋ユイカ。次点は若手飼育係の田中圭
 今回のキャストの中ではいちばんうまい役者ではないかと思える佐々木蔵之介がいちばん浮いてみえた。おそろしい脚本である。
 草なぎ剛さんはお疲れ様でした。次回もいい脚本に出会えることを祈っております。
 二百五十円の謎。
 はがきの住所からこのドラマの舞台は八王子らしいとわかる。浅野さんの喫茶店の珈琲は一杯二百五十円。ちょっと安すぎないだろうか。それとも八王子ではこのくらいで喫茶店の珈琲が飲めるのか。浅野さんの趣味はロードバイクなんだから、趣味で喫茶店をやってるはずはないので、この価格は謎だ。暇なことだし、いつかこの謎を解明するために八王子に散歩に出かけようかな、などと思う今日この頃。