ダンサー Shuffle, Ball Change
「ケンジントンにダンスは似合わない」
頭の中に刷り込まれて一生抜けないだろう。そういう街なんだ、とアメリカに行ったことがない人間としては思うしかない。
そんな街に生まれたダンサー志望の16歳、母は亡くなり、父と兄と三人でスーパーマーケットで仕事をしている。
兄は、ケンジントンに似合うレスリングの強化選手。
ダンス教室の教師、そして恋人役のダンサーが最高だった。踊れてダンスのできる役者は山ほどいるわけで、だから生まれた一作といえる。ほかの国ではこうはいかない。アメリカは国家としてはくそったれだと思うが、エンターテインメントはやはり凄い。
ラストは驚愕の一言につきる。誰が、ではなく、何故、という部分で。一瞬の叩きつけるような逆転。完成度の高い脚本だった。
客演の役者がよく、話もいいとなると、どうしてもリリー・ラッシュの出番はなくなる。刑事としても前面に出てくるのはジェフリーズだ。
主演のリリー・ラッシュが遠景になるほどこのドラマは輝く。皮肉な構造である。
ケンジントンの場所を調べていて、世界中にこの地名があることに驚いた。このドラマのケンジントンはもちろん、フィラデルフィアの街区。
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