「複眼の法廷」
帰ってきました、われらが「相棒」が。今回はseason6。
今期はいいドラマが多いけど、その中でもピカイチかな。
警視庁の窓際課、特命係所属の杉下右京(係長・頭脳派)と亀山薫(ヒラ・肉体派)の物語。
とても面白いのは、彼らの位置が警察の内でも外でもないことだ。犯罪を捜査する組織に出たり入ったりする、いわば複眼の視点をもつ者。
必然的に、ほかの警察官にはできない警察内部の犯行を告発する機会が多くなる。政治事件など、警察には扱いにくい事件にも平気で入り込んでいく。
警察ものでありながら、テイストは探偵もの。
組織と個人の間を行き来する自由闊達さが、なによりの魅力。
第1回は2時間のスペシャルもので、社会派の色合いが濃かった。が、警察内部ものの枠内では収まらない。
裁判に陪審員制度を取り入れるテストケース、というきわめて時事的なテーマをうまくミステリーとして扱った。
無作為抽出される陪審員の低レベルな議論は、リアルに時代を先取りしていて、ぞっとした。マスコミの影響力もおそらくリアルだろう。
話の展開に水増しはなく、与えられた二時間をきちんと処理した。
佳作である。視聴率は15.9%。
説得力のない変わったことをやっても
意味がないと思うんです。
変わったことを見ている人も望んでいないと思うので。
見る角度ですかね、どの角度からものを見ればいいんだろう、
一番いい角度を常に無意識のうちに探しているんだと思うんですね。
だから今までと同じことが起きるかもしれない、だけど今、
同じことが起きてもそれを見つめる角度は違うかもしれない、というね。
その辺は今までやってきたことに縛られずにいきたいなと思います。
いつも今を生きている人でいたいと。柔軟性を持ってやりたいですね。
【スタッフ】
監督 | 和泉聖治 |
脚本 | 櫻井武晴 |
【一話ゲスト】
三雲法男判事 | 石橋凌 | “司法の良心”と呼ばれている裁判長 |
タツミ | 堀部圭亮 | 新宿南署の刑事 |
倉品靖子 | 田中美奈子 | 赤川良平の後任として裁判員に選ばれる |
田部井裕子 | 宝生舞 | 美和子の後輩 |
塚原 | 小沢和義 | フリーの銃器販売人 |
静香 | 有沢妃呂子 | 塚原の恋人 |