「トレインスポッティング」(1996年イギリス)。ドラッグと青春の物語。
ヘロイン中毒に陥った若者たちの生態を、斬新な映像感覚で生々しく描いたドラマ。
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主演、ユアン・マクレガー。イギリスを感じさせる映画。
とんでもない連中なのに、どこかに内省的なものを持っている。正義であれ悪であれ、単純ではない。単純ではないことをまるごと描いている感じだ。
ダニー・ボイル監督がアーヴィン・ウェルシュの同名小説を映画化した。
ドラッグとアルコールと暴力とセックスに明け暮れるエディンバラの無気力で身勝手な若者たち。仕事なし、将来の望みなしの無意味な毎日。絶望的な状況の下、ヘロイン中毒まっただ中のレントンは、明るい未来へのサバイバルを狙っていた―。ケミカル世代の熱狂的支持をうけた90’sを代表する英ポップ文学の傑作。
作者の半自伝的小説で、それゆえか、映画もドラッグの描写がリアルだ。ドラッグ映画といえば幻覚場面が出てくるに決まっているが、クスリをキメているときではなく、クスリを抜こうとしているときに執拗に出てくるのがいい。
もっとも、冒頭にも、せっかく手に入れた座薬を尻に入れたとたん下痢に襲われ、スコットランドで一番汚いトイレに駆け込むくだりが、凄すぎて、背筋が凍る。
下痢したとたん、座薬も排出してしまったことに気づき、便器の中を自在に泳ぎ回ってクスリを探し出す幻想をみる。現実になにをしていたかを考えると背筋が寒くなる。
この名シーンで目が釘付けになってしまう人が多いのではないか。
全編を通して、彼とその仲間たちはコカインを止める気がかけらもない。その徹底ぶりはすごい。つねに「最後にもう一度だけ」なのだ。
原作も読んでみたいと思った。この作者の作品は多数翻訳されているが、入手は困難みたい。