朝まで生つるべ

 途中で「この番組の台本」というて紹介したのが、ぺら一枚。ほとんどコーナー名が書いてあるだけ。
「これで打ち合わせて、なにするんや」
 全編フリートークで、言葉の出てこないところまで芸になっている。
 ほとんどひとりで四時間喋りつづける。
 喋りとはいうものの、鶴瓶の喋りは基本は人間観察であり、アクションやら表情やらを総動員して語りに語るので、単純にこの話は面白かった、では済まない。復元不可能、ただただ観るしかない。
 最初のほうでは、マネージャー話が中心で、中国人に「卵卵」と注意される話と、「さだの長老流し」が面白かった。
 午前三時からは、つるべの携帯番号を知っている芸人からのリクエストでつるべ話をする。その間にアルフィー坂崎幸之助が歌うという構成。
 いろいろあったが、「無法の兄貴」が秀逸な気がした。おもろいし、凄絶やし、ちょっと筆舌に尽くしがたい。師匠のことを語った「カレーが食べたい」もよかった。うどんのくだりではもう笑っていいやら泣いていいやら。
 あかん、こんなん最後まで付き合ったら、明日がむちゃくちゃになると思いながら最後まで止められなかった。まるで麻薬である。