ローレライ

 テレビで「ローレライ」を観る。原作は面白かったのだが、映像化は不可能だとも思っていた。原作小説はなにしろ長大にして複雑なのである。なぜそんなに書き込んだかといえば、超能力潜水艦というかなり難易度の高いフィクションに説得をもたせるためだとおもう。
 映画では、主要登場人物の一人をまるまるカットするといった省略を試みていたが、やはり舌足らずな印象は否めなかった。映像だけでは、ローレライの能力は納得させられないのではないか。映像的なものと非映像的なものの混在が原作の魅力だった。
 映画では、期待した潜水艦同士の死闘シーンはほとんどなく、観終わってから思い返してもなにを観たのかよくわからなかった。残念。